ボクシングの聖地、東京・後楽園ホールで昨年12月19日に行われた「DANGAN43・日本フェザー級王座決定戦」。前王者・細野悟(大橋)が世界戦挑戦のために返上した日本タイトルを懸けたこの試合で、2度目の王座挑戦となる太田市出身のプロボクサー天笠尚(同級1位・26歳・山上)が、5回TKOで勝利し、念願の日本フェザー級チャンピオンの栄冠をつかんだ。対戦相手は、23戦22勝(7KO)1敗の戦績を誇り「難攻不落の拳士」の異名をとる鈴木徹(同級2位・WBC世界フェザー級15位・大橋)。天笠は、長いリーチから繰り出す強打で終始鈴木を圧倒。反撃の隙を与えず、5回、連打で2度のダウンを奪い、TKOでこの決定戦に決着をつけた。
その天笠選手に話しを聞いてみた…。
Q.リングに上がったときの心境は? 天笠「2度目の挑戦なので、比較的落ち着いていました。鈴木選手のほうが緊張していたように見えました」Q.どんな策を? 天笠「テクニックでは鈴木選手のほうが数段上手。鈴木選手のペースになるとやりにくいので、あえてラフなボクシングを仕掛けたが、かなり戸惑っているように感じた。3Rの終わりに鈴木選手が鼻から出血していたので勝てるかなと思った。結果は、5RTKOですが、どんなボクシングをしたのかよく覚えていません。試合後にVTRを見て分かったというのが本音です」
Q.勝因は? 天笠「終始自分のペースで試合が出来たのが勝因だと思います。それに、鈴木選手は、かなり緊張していた様子で、彼本来の動きができなかったのではないでしょうか」
Q.今後の抱負を? 天笠「まだ、あまり実感がないのですが、3月末にチャンピオンカーニバルがあり、そこでの初防衛戦が予定されています。まずは、そこでチャンピオンとして恥ずかしくない試合をして初防衛を果たしたいですね」
Q.東洋太平洋という話しも聞かれるが? 天笠「ええ、現在1位というランキングなので、次の目標としてはあると思います。ただ、それには、心・技・体ともに、もっと、もっと向上させていかなければと感じています」
記者:ありがとうございました。これからも頑張ってください。
日本フェザー級王者となった天笠尚(あまがさ・ひさし26歳)。25戦19勝(15KO)4敗1分という戦績から、その優しい表情とは似つかない「痩身の暗殺者」の異名を取る。気弱なサッカー少年だった彼が、いま日本フェザー級の頂点に立った。自分の可能性を追求し昇り始めた階段。今、上階へと続く踊り場にいるような心境なのかもしれない。この長い階段の彼方に見えるのは「世界」という夢。その夢を追いかける彼をガンバはこれからも応援していきたい。決して諦めるな!ガンバレ天笠尚!
コメントをお書きください